平成29年11月
昨年の10月よりひなたに勤務させて頂いています。この一年間で、看取りを行った方、ターミナルケアを行っている方が、数名おりました。余命が告知されていても、いなくても、一日一日が大切である事、限られた時間を、有効に使っていただける支援、必要なサービスの調整を私たち支援者が適切に行えるか、ご本人、ご家族の気持ちに寄り添えるか、ケアマネージャーとして日々考えさせられていますが、上司や同僚からの助言や相談に乗っていただける環境があり、続けていく事が出来ています。
担当して約2ヵ月でご逝去された利用者様は、以前勤めていた事業所で担当していた方でした。その方は、末期癌で余命わずかであり、末期癌である事は奥様には告知せずに、自宅で最期まで過ごさせたいとの地域包括支援センターの意向もあり、以前担当していた私に依頼したいとの事でした。1年ぶりにお会いしたご本人は、体重が10㎏以上減り、顔色も不良でしたが、「元気だった?」と変わらない笑顔で話かけてくださいました。「ここの所、体調が悪くて体が前より動かなくなったよ」と言いながらも、介護のサービスはまだ必要ないと言い、手すりの追加レンタルのみで、一ヵ月を過ごしました。癌性疼痛が酷くなり、ご自身での入浴、トイレまでの移動が困難となり、家族の介護が必要になってきました。それでも、「トイレで排泄がしたい」「お風呂に入りたい」と言われ、訪問看護、訪問入浴、訪問介護などのサービスの調整を行いました。久しぶりの入浴後 ご本人より「気持ちが良かった。ありがとう」と、ご本人、ご家族共にとても喜ばれていました。
一日一日容態は変化していき、訪問看護ステーションより、状態が悪化している連絡を受け、訪問すると混沌とした状態でしたがお声を掛けると、開眼され「痛みはないですか?」と問いかけると大きく横に頭を振り返答されました。その夜にご家族の見守る中、ご自宅で息を引き取られました。奥様は「最期まで病気の事を誰も教えてくれなかった。教えて欲しかった。」と悲しまれていましたが、「以前から知っているあなたに担当して貰って良かった。これが、全く知らない人だったらもっとバタバタしたと思う。最期まで家に居れたから…ありがとう」とお言葉を頂きました。
今回の事例を通じて、今後増えていく在宅での看取りについて勉強させて頂けた良い機会だったと思います。医療との連携や介護サービスの調整だけではなく、ご家族への寄り添いやご本人の思いを十分に理解して支援できていたかは自信がありませんが、「ありがとう」「あなたで良かった」の言葉を糧に、これからも、自己研鑽をしていき、次の方では、より良い支援が出来るよう頑張っていく。これが私の「やりがい」と感じています。